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「冬の経済教室 in Tokyoー授業に役立つ経済学」 [レポート Report]

「冬の経済教室 in Tokyoー授業に役立つ経済学」

日時:2016年1月23日 14:30~16:30
場所:LMJ東京研修センター(東京都文京区本郷)
主催:経済教育ネットワーク、(株)日本取引所ブループ
テーマ:「経済を主体的に学ばせる方法」
報告
2016年の「冬の経済教室 in Tokyo」では、前回2014年「秋の経済教室」に引き続き、宮尾尊弘筑波大学名誉教授(経済教育ネットワーク理事)が、日本とアメリカの大学で実際に適用した経済学の教授法を紹介し、それを高校の授業にどう活かすかについて提案を行った。
また今回はそれに加えて、金子幹夫神奈川県立平塚農業高校教諭が、高校教育の現場の視点から、提案された教授方法やアイデアをどのように高校生向きの教材に仕立て上げるかについての具体的な例を示したのが特徴で、高校の先生方中心の参加者たちにとって非常に参考になったようであった。
具体的には、「イシューから始める考え方・教え方」と「ゲームのクラス実験で『公共』を学ぶ」というテーマが取り上げられたが、いずれにしても生徒たちに実際の経済問題に対する興味を持たせて、主体的に学習する態度を身につけさせることが経済社会教育の第一歩であり、またそのような方向に進めることが教育的にも社会的にも強く求められることが、熱心に耳を傾ける参加者たちの態度から強く感じられた「経済教室」であった。(宮尾)

講師:(左)宮尾尊弘・筑波大学名誉教授 (右)金子幹夫・神奈川県立平塚農業高校初声分校教諭
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第1部(宮尾):「学習のあり方:イシュー(論点)から始める主体的な学び」
宮尾講演ビデオ(講演の最初6分12秒):https://youtu.be/l-ohyUz4tOU
配布資料の内容要旨:
「イシュー」とは意見の対立がある論点のことで、プロブレム(問題)と同じではない。
生徒に人気があり学ぶ意欲をかきたてる有効な教え方、ただし工夫と準備が必要。
1-1: 「イシュー」から始める教え方(「問題解決型」と同じではない)
1-2: 現実のイシューの例:「TPPの賛否」「パリ協定の有効性」「『貯蓄から投資へ』の是非」
1-3: 目的と効果:ソフトスキル獲得の重要性
1-4: 努力と進歩の評価(適切なフィードバック):「レベル」と「改善率」の両方を評価

第2部(宮尾):「公共経済学を教える方法:ゲームによる競争と協力」
参考:「シンプル経済教室」:https://sites.google.com/site/econeduvideo/
配布資料の内容要旨:
2-1: 「じゃんけんゲーム」(1回限りのゲーム)
2-2: 「じゃんけんゲーム)(繰り返しゲーム)
2-3: 「公共財ただ乗りゲーム」(1回限り、繰り返しゲーム)

第3部(金子):「高校授業現場から:実践にあたって」
金子講演ビデオ(講演の最初5分49秒):https://youtu.be/cZDXhFrVLyQ
配布資料の内容要旨:
3-1: 第1部と第2部の内容を踏まえて、どのように高校で授業を展開したらよいのかを考える。
3-2: キーワード:「その気にさせる」「問いの基盤をつくる」「全員参加」「教科書に戻す」
3-3: 現状分析:自分のフィールド内にいる100名の高校生の授業中の分析
3-4: 具体的な手立て:(1)じゃんけんゲーム、(2)全員参加で考える、(3)イシューから問いに、(4)教科書に戻す、(5)ふりかえる
3-5: おわりに

第4部:参加者全員による意見交流
意見交換風景
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第1部・第2部 アンケート結果(31名回答、途中参加1名 2-3のみ回答)

第1部:「現実のイシュー(論点)」によって生きた経済を学ぶ意欲を育てる
1-1. 「イシューから始める考え方」の説明は、分かりやすかったですか?
とても分かりやすかった(22人)、多少は分かった(9人) 、どちらとも言えない(2人)、あまりよく分からなかった(0人)、まったく分からなかった(0人)
そのような教え方についての意見・感想
・「賛成で、実社会との教科のつながりを実感できる」
・「内容が初歩的で授業に役立てるには難しいかもしれない」
1-2.「現実のイシューの例」の説明は、分かりやすかったですか?
とても分かりやすかった(23人)、多少は分かった(6人) 、どちらとも言えない(2人)、あまりよく分からなかった(0人)、まったく分からなかった(0人)
取り上げられたイシューの例についての意見・感想
・「もっと多くのイシューを挙げてほしい」
・「TPPや地球温暖化等について、多くの高校生は『自分とは関係ない」「どちらでもいい」といって考えようとしないのではないか」
1-3.「目的と効果(ソフトスキル獲得の重要性)」の説明は、分かりやすかったですか?
とても分かりやすかった(13人)、多少は分かった(10人) 、どちらとも言えない(6人)、あまりよく分からなかった(2人)、まったく分からなかった(0人)
説明された目的と効果についての意見・感想
・「非認知能力の向上の評価が明確化されれば生徒のモチベーションも向上すると思うが、そのような評価方法があればよいと思った」
1-4.「努力と進歩の評価」についての説明は、分かりやすかったですか?
とても分かりやすかった(14人)、多少は分かった(12人) 、どちらとも言えない(3人)、あまりよく分からなかった(2人)、まったく分からなかった(0人)
「努力と進歩の評価」についての意見・感想
・「大変興味深い内容だが、何らかの数学的処理でうまく組み合わせることができないのかなと思った」
・「大事だと思うが、難しい」

第2部:「公共経済学を教える方法:ゲームによる競争と協力」
2-1. 「じゃんけんゲーム」の説明は、分かりやすかったですか?
とても分かりやすかった(24人)、多少は分かった(6人) 、どちらとも言えない(0人)、あまりよく分からなかった(1人)、まったく分からなかった(0人)
「じゃんけんゲーム」についての意見・感想
・「ゲーム理論を高校の授業で教えるのがよいかどうか疑問」
2-2. 「じゃんけんゲームのクラス実験」は、何か助けになりましたか?
とても助けになった(15人)、多少は助けになった(11人) 、どちらとも言えない(2人)、あまり助けにならなかった(2人)、まったく助けにならなかった(0人)、無回答(1人)
「じゃんけんゲームのクラス実験」についての意見・感想
・「金子先生の授業案をベースに発展させて授業してみます」
・「正直なグループで裏切る人の点が高いということをどう表現するか悩む」
2-3. 「公共財ただ乗りゲーム」の説明は、分かりやすかったですか?
とても分かりやすかった(14人)、多少は分かった(15人) 、どちらとも言えない(1人)、あまりよく分からなかった(2人)、まったく分からなかった(0人)
「公共財ただ乗りゲーム」についての意見・感想
・「面白いと思う。実践してみます」
・「ゲーム理論をどう教科書と結びつけるか、もっと様々な具体例を知りたい」
・「公共の授業で実践する意味・目的について、金子先生の話を聴いてやっと理解できた」
・「具体的な実施方法がよく分からないので、サイト等で調べるつもり」
・「タダ乗りが得をする場合があるということを知らせた後、公共の精神を養うには?」
・「内容が初歩的で授業に役立てるには難しいかもしれない」
(以上)
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