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ディベートの実践例~アメリカでの九州大学の研修~ [レポート Report]

ディベートの実践例~アメリカでの九州大学の研修~

去る3月20日と21日の2日間にわたって、日本の大学からアメリカに研修に来ている学部学生たちに「ディベート実践」の授業を行った。
今回、学生のグループは九州大学工学部の1年生から3年生までの学生34人で、
サンフランシスコ近郊のシリコンバレーにある九州大学カリフォルニアオフィスでの5週間の海外研修の一環として、今年初めて実験的に「ディベート」を取り入れたもの。最初の4週間で英語を中心とする研修プログラムを終了した後に、最後の1週間の「実践・応用編」として実施された。2日間をかけたのは、1日目は日本語で、2日目は英語でディベートを行うためであった。

まずその授業の様子については、以下の写真入りのブログ記事を参照:
「シリコンバレーでの日本人学生のディベート実践」
http://miyao-blog.blog.so-net.ne.jp/2017-03-22

ここで、ディベートのイシュー(論点)としては、工学部の学生たちが興味を持ちそうな「人工知能」と「原発」についてそれぞれ賛否を取り上げた。予め学生たち自身の意見をアンケート調査した結果、両イシューとも概ね賛否半ばで、学生たちの賛成(推進)派と反対(慎重)派へのグループ分けもスムーズに行うことができた。
さらに、ディベートのやり方については、ビデオ「ディベートの手引き」(https://youtu.be/4V9tlXwtypo)にある通りで、それを学生たちに予め見ておくように指示して説明の時間を節約したが、問題は短期間で34人の学生たちのすべてに均等にディベートの経験をさせることであった。
つまり、通常は小規模のクラスで、それぞれの立場を壇上で主張する「ディベータ―」が賛成派と反対派からそれぞれ2~3人で、残りの学生は聴衆(オーディエンス)となるが、それでは34人の学生すべてがディベータ―の経験をすることができない。そこで今回は、第1の「人工知能」のイシューでは、それぞれの派から8名がディベータ―となり、残りの18名がオーディエンスとなる。また第2の「原発」のイシューでは、その18名が今度はそれぞれの派からの9名のディベータ―となり、前のイシューのディベータ―たち16名がオーディエンス側に回るという工夫を凝らした。

このような形で、1日目は日本語で、2日目は英語でディベートを実施し、それぞれのディベートで終了後に全員にアンケートを実施して、自分の意見がディベートによってどの程度影響されたか、また誰がベストなディベータ―だったかを選ばせ、また何でも気づいたこと、意見などを表明できるようにした。
そこでの注意点は、日本でありがちなグループディスカッションではないので、どちらの派が勝ったかといったグループの評価ではなく、誰がもっとも論理的で説得的な議論を展開したかという「ベスト・ディベータ―」を選ばせるという方法で個人の評価を重視することである。これがディベート対抗合戦ではなく、大学教育で個人を鍛える欧米的なやり方といえる。
またそれに関連する注意点としては、日本語でも英語でもそれぞれのディベータ―が自分の意見を述べる際に、準備してきたメモの文章を読み上げるのではなく、反対派やオーディエンスの顔を見てジェスチャーなどを交えて自己主張をすることで、プレゼンの訓練になるということである。

最後に実施してみて感じた点として、日本の学生たちは、まず相手が何を言っているかよく理解してから自分の意見を述べようとする傾向が強く、すぐ相手の意見の詳細をただす質問で時間を浪費しがちであるが(「意見がかみ合うように」というのが日本人学生の口癖)、それよりは相手の意見を自分なりに理解した上で、基本は自分の意見をいかにきちんと述べて主張するかに重点を置く必要がある。この段階でのディベートでは、意見がかみ合っているかどうかは第三者が判断すればよく、その点で担当教員の議論の整理・進行の役割が重要であるといえよう。
ぜひ日本でも高校レベルからこのようなディベートの実践を取り入れることを勧めるものである。

宮尾尊弘(筑波大学名誉教授、南カリフォルニア客員教授)

Stanford Events on Silicon Valley & Japan [レポート Report]

Stanford University Events on Silicon Valley & Japan/Asia (Feb. 2-3, 2016)

Day 1: February 2, 2016
Symposium “Silicon Valley and Asian Economies”
APARC Japan Program Symposium & NHK World Global Agenda
Time: February 2(T), 3:30-5:00pm
Venue: Bechtel Conference Center, Encina Hall, Stanford
Moderator:
Takeo HOSHI, Director, Japan Program, APARC, Stanford
Panelists:
William BARNETT, Professor, Stanford Graduate School of Business
Francis FUKUYAMA, Director, Center on Democracy, Development, and the Rule of Law, Stanford
Kenji KUSHIDA, Research Associate, Japan Program, APARC
Webpage:
http://aparc.fsi.stanford.edu/events/silicon-valley-and-asian-economies
Photo:
(From left) T. Hoshi, K. Kushida, F. Fukuyama, and W. Barnett
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Report:
Led by moderator Takeo Hoshi, the three panelists first presented some key words to describe the essence of Silicon Valley, that is, “Harness” for Kenji Kushida, “Social Capital” for Francis Fukuyama, and “Failure” for William Barnett.
Then they spent some time discussing how these key words could symbolize the success of Silicon Valley as the world’s center of innovation.
In this context, they critically examined Asian economies in general and Japan in particular in terms of business structure and government policy regarding innovation.
Some of the challenges that Silicon Valley is facing toward the future were also discussed.
Although all the four Stanford scholars naturally sounded positive and optimistic about the present and future of Silicon Valley, there seemed to be some difference of opinions among them in assessing the potential of Asian and other economies as “true” innovation centers.
While Kenji Kushida emphasizes the unique role that Silicon Valley so far has been and probably will be playing as the global center of innovation, William Barnett sounded more cautious about the future by referring to some of the innovative enterprises in Asia and Latin America.
The Q&A session was quite useful in clarifying the views of the panelists on innovation, creativity and culture.
(Takahiro Miyao)
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Day 2: February 3, 2016
Seminar “Chronicles of the Silicon Valley-Japan Relationship and Lessons Learned”
Subtitle: An insider’s view of large firms, startup firms, and entrepreneurs since the 1970s
Time: February 3(W), 4:15-6:00pm
Venue: Philippines Conference Room, Encina Hall, Stanford
Speaker:
Masa ISHII, Managing Director of AZCA, Inc, Visiting Professor, Waseda Business School and Shizuoka University
Webpage;
http://www.stanford-synj.org/sv-nj-public-forum-february-3-2016
Photos:
Masa Ishii's presentation and the lively Q&A Session
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Report:
After going through the recent history of Silicon Valley and its interaction with Japanese companies including his personal history as a bridge between the two difference business cultures, Masa Ishii explained why many of the Japanese large corporations have failed to take full advantage of the ecosystem of Silicon Valley.
He pointed out the "cronic issues facing Japanese companies in Silicon Valley", which include Japan's inward-looking attitude toward innovation, risk aversion, slow decision-making, etc.
His prescription for Japanese companies to benefit from innovative Silicon Valley culture turned out to be quite simple -- adopt top-down management decision-making system, which more and more Japanese companies are subscribing to, due to technological change and global competition.
In the Q&A session, some doubts concerning the real change in Japanese management culture were expressed, but Ishii replied rather optimistically by saying that emerging companies led by relatively young generation of Japanese managers are actually changing in a desirable direction.
However, the seminar ended with a somewhat pessimistic note both on the part of Masa Ishii and most of the audience in terms of Japan's ability to adapt to the IoT era by developing good networking software rather than sticking to its hardware "mono-zukuri" tradition.
(Takahiro Miyao)
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「冬の経済教室 in Tokyoー授業に役立つ経済学」 [レポート Report]

「冬の経済教室 in Tokyoー授業に役立つ経済学」

日時:2016年1月23日 14:30~16:30
場所:LMJ東京研修センター(東京都文京区本郷)
主催:経済教育ネットワーク、(株)日本取引所ブループ
テーマ:「経済を主体的に学ばせる方法」
報告
2016年の「冬の経済教室 in Tokyo」では、前回2014年「秋の経済教室」に引き続き、宮尾尊弘筑波大学名誉教授(経済教育ネットワーク理事)が、日本とアメリカの大学で実際に適用した経済学の教授法を紹介し、それを高校の授業にどう活かすかについて提案を行った。
また今回はそれに加えて、金子幹夫神奈川県立平塚農業高校教諭が、高校教育の現場の視点から、提案された教授方法やアイデアをどのように高校生向きの教材に仕立て上げるかについての具体的な例を示したのが特徴で、高校の先生方中心の参加者たちにとって非常に参考になったようであった。
具体的には、「イシューから始める考え方・教え方」と「ゲームのクラス実験で『公共』を学ぶ」というテーマが取り上げられたが、いずれにしても生徒たちに実際の経済問題に対する興味を持たせて、主体的に学習する態度を身につけさせることが経済社会教育の第一歩であり、またそのような方向に進めることが教育的にも社会的にも強く求められることが、熱心に耳を傾ける参加者たちの態度から強く感じられた「経済教室」であった。(宮尾)

講師:(左)宮尾尊弘・筑波大学名誉教授 (右)金子幹夫・神奈川県立平塚農業高校初声分校教諭
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第1部(宮尾):「学習のあり方:イシュー(論点)から始める主体的な学び」
宮尾講演ビデオ(講演の最初6分12秒):https://youtu.be/l-ohyUz4tOU
配布資料の内容要旨:
「イシュー」とは意見の対立がある論点のことで、プロブレム(問題)と同じではない。
生徒に人気があり学ぶ意欲をかきたてる有効な教え方、ただし工夫と準備が必要。
1-1: 「イシュー」から始める教え方(「問題解決型」と同じではない)
1-2: 現実のイシューの例:「TPPの賛否」「パリ協定の有効性」「『貯蓄から投資へ』の是非」
1-3: 目的と効果:ソフトスキル獲得の重要性
1-4: 努力と進歩の評価(適切なフィードバック):「レベル」と「改善率」の両方を評価

第2部(宮尾):「公共経済学を教える方法:ゲームによる競争と協力」
参考:「シンプル経済教室」:https://sites.google.com/site/econeduvideo/
配布資料の内容要旨:
2-1: 「じゃんけんゲーム」(1回限りのゲーム)
2-2: 「じゃんけんゲーム)(繰り返しゲーム)
2-3: 「公共財ただ乗りゲーム」(1回限り、繰り返しゲーム)

第3部(金子):「高校授業現場から:実践にあたって」
金子講演ビデオ(講演の最初5分49秒):https://youtu.be/cZDXhFrVLyQ
配布資料の内容要旨:
3-1: 第1部と第2部の内容を踏まえて、どのように高校で授業を展開したらよいのかを考える。
3-2: キーワード:「その気にさせる」「問いの基盤をつくる」「全員参加」「教科書に戻す」
3-3: 現状分析:自分のフィールド内にいる100名の高校生の授業中の分析
3-4: 具体的な手立て:(1)じゃんけんゲーム、(2)全員参加で考える、(3)イシューから問いに、(4)教科書に戻す、(5)ふりかえる
3-5: おわりに

第4部:参加者全員による意見交流
意見交換風景
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第1部・第2部 アンケート結果(31名回答、途中参加1名 2-3のみ回答)

第1部:「現実のイシュー(論点)」によって生きた経済を学ぶ意欲を育てる
1-1. 「イシューから始める考え方」の説明は、分かりやすかったですか?
とても分かりやすかった(22人)、多少は分かった(9人) 、どちらとも言えない(2人)、あまりよく分からなかった(0人)、まったく分からなかった(0人)
そのような教え方についての意見・感想
・「賛成で、実社会との教科のつながりを実感できる」
・「内容が初歩的で授業に役立てるには難しいかもしれない」
1-2.「現実のイシューの例」の説明は、分かりやすかったですか?
とても分かりやすかった(23人)、多少は分かった(6人) 、どちらとも言えない(2人)、あまりよく分からなかった(0人)、まったく分からなかった(0人)
取り上げられたイシューの例についての意見・感想
・「もっと多くのイシューを挙げてほしい」
・「TPPや地球温暖化等について、多くの高校生は『自分とは関係ない」「どちらでもいい」といって考えようとしないのではないか」
1-3.「目的と効果(ソフトスキル獲得の重要性)」の説明は、分かりやすかったですか?
とても分かりやすかった(13人)、多少は分かった(10人) 、どちらとも言えない(6人)、あまりよく分からなかった(2人)、まったく分からなかった(0人)
説明された目的と効果についての意見・感想
・「非認知能力の向上の評価が明確化されれば生徒のモチベーションも向上すると思うが、そのような評価方法があればよいと思った」
1-4.「努力と進歩の評価」についての説明は、分かりやすかったですか?
とても分かりやすかった(14人)、多少は分かった(12人) 、どちらとも言えない(3人)、あまりよく分からなかった(2人)、まったく分からなかった(0人)
「努力と進歩の評価」についての意見・感想
・「大変興味深い内容だが、何らかの数学的処理でうまく組み合わせることができないのかなと思った」
・「大事だと思うが、難しい」

第2部:「公共経済学を教える方法:ゲームによる競争と協力」
2-1. 「じゃんけんゲーム」の説明は、分かりやすかったですか?
とても分かりやすかった(24人)、多少は分かった(6人) 、どちらとも言えない(0人)、あまりよく分からなかった(1人)、まったく分からなかった(0人)
「じゃんけんゲーム」についての意見・感想
・「ゲーム理論を高校の授業で教えるのがよいかどうか疑問」
2-2. 「じゃんけんゲームのクラス実験」は、何か助けになりましたか?
とても助けになった(15人)、多少は助けになった(11人) 、どちらとも言えない(2人)、あまり助けにならなかった(2人)、まったく助けにならなかった(0人)、無回答(1人)
「じゃんけんゲームのクラス実験」についての意見・感想
・「金子先生の授業案をベースに発展させて授業してみます」
・「正直なグループで裏切る人の点が高いということをどう表現するか悩む」
2-3. 「公共財ただ乗りゲーム」の説明は、分かりやすかったですか?
とても分かりやすかった(14人)、多少は分かった(15人) 、どちらとも言えない(1人)、あまりよく分からなかった(2人)、まったく分からなかった(0人)
「公共財ただ乗りゲーム」についての意見・感想
・「面白いと思う。実践してみます」
・「ゲーム理論をどう教科書と結びつけるか、もっと様々な具体例を知りたい」
・「公共の授業で実践する意味・目的について、金子先生の話を聴いてやっと理解できた」
・「具体的な実施方法がよく分からないので、サイト等で調べるつもり」
・「タダ乗りが得をする場合があるということを知らせた後、公共の精神を養うには?」
・「内容が初歩的で授業に役立てるには難しいかもしれない」
(以上)
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シャロン博士夫妻、息子さんとの会話 Talk with Dr & Mrs Charron & their son [レポート Report]

シャロン博士夫妻と道雄さんとの会話:モンレアル(モントリオール)にて(2015年8月29日)
Conversation with Dr. Charron, Misa and Michio Hirai in Montreal

クロード=イヴ・シャロン博士、平井みさ夫人、道雄さん:モンレアルのお宅の裏庭にて
Claude=Yves Charron, Misa and Michio Hirai in the backyard of their house
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8月29日(土)に、モンレアル郊外にあるクロード=イヴ・シャロン先生のご自宅に招待され、裏庭でランチをごちそうになりながら、先生と奥様のみさ夫人と息子さんの道雄さんとの会話を楽しみました。
まず、シャロン先生はケベックで日本の情報がなかなか入手できず、マスコミも日本の政治・社会・文化などをあまり伝えていないので、情報ギャップを感じている。時折TTP(環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉との関連で日本が取り上げられることもあるが、この協定が持つ日本対中国のアジア太平洋地域の覇権に関する地政学的な意味を分析しているものは見当たらないとのこと。
ただし、日本からの情報発信の不十分さもあってマスコミであまり日本が取り上げられないにもかかわらず、こちらの人々は老若男女を問わず、ますます日本の文化や社会に対する関心を高めており、日本についての展示やイベントに多くの人が参加しているとのことで、例えばケベック州最大のアニメ・コンベンションであるOtakuthonや広島原爆投下70周年を記念するケント・ナガノ率いるモンレアル管弦楽団のコンサートなどに大勢の人が参加したそうです。(http://www.rcinet.ca/fr/2015/08/05/hiroshima-70-ans-apres-montreal-sen-souvient/

これを受けて、みさ夫人がご自分で教えているケベック大学モンレアル校での日本語のコースを履修する学生数は、三年前から急激に増え、今年は350名になり、中国語を履修する学生数の三倍近くにもなったことを指摘されました。これはおそらく学生たちの間で、マンガ、アニメ、ゲーム、映画、ファッション、デザインなどのポップカルチャーへの興味が高まっているためと思われますが、より広い日本文化、歴史、社会などに対する興味に結びつく第一歩であろうと言われていました。

ここで遅れてランチに参加された息子さんの道雄さんが会話に加わり、友達の多くがOtakuthonなどのイベントに参加しており、そのうち何人かが日本に行って大変気に入り、日本に住みたがったが、しかし日本は旅行するのと住むとでは大違いで、東京のような国際都市でもまだ外国人に対する居住および職業上の規制や差別がたくさんあるとコメントされました。一つの例として、過去数年間日本でアニメソングの歌手として活躍したカナダ人の女性歌手のHIMEKAが、昨年所属プロが見つからず日本を去らざるをえなかったことがあげられました。
道雄さん自身も、二年ほど前にインターンで東京に滞在した際、色々と楽しい思いをしたものの、仕事の上で夜10~11時まで仲間と一緒に働かざるをえないという日本人の仕事のやり方にはなかなか慣れなかったとのことでした。

私を含めて四人が会話の結論として、日本には興味深く価値のあるコンテンツやイベントや遺産などがたくさんあることは高く評価できるものの、それらをカナダやその他の国の人々にもっとはっきり分かるようにまた受け入れられやすいように改善し改革する余地もまた多くあるということで同意しました。
参考
シャロン博士夫妻との会食と意見交換(2008/6/28)
http://japanquebec.blog76.fc2.com/blog-entry-44.html
シャロン博士のインタビュー(2007/8/30)
http://japanquebec.blog76.fc2.com/blog-entry-24.html
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[ English ]
On Saturday, August 29, I was invited to Dr. Claude=Yves Charron’s house in a suburb of Montreal, where I had a very enjoyable conversation with Dr. Charron, his wife Misa Hira along with their son Michio over lunch in their backyard.

First, Dr. Charron pointed out some delays and gaps in information about Japan in Quebec with virtually no reference to Japan’s politics, business, or society in the mass media these days. Even though Japan has sometimes been mentioned in connection with the Trans-Pacific Partnership agreement, no analysis is done regarding its geopolitical implications on Japan vis-à-vis China’s hegemony in the Asia-Pacific region.
However, he said that despite this lack of information about Japan in the mass media, which may at least partly be due to the insufficient information disseminated from Japan, more and more people, both young and old, seem to be attracted to Japanese culture and society and attending various events and exhibitions about Japan, such as Otakuthon, which is Quebec’s largest anime convention, and the Hiroshima memorial concert by the Montreal Symphony Orchestra and its music director, Kent Nagano (http://www.rcinet.ca/fr/2015/08/05/hiroshima-70-ans-apres-montreal-sen-souvient/).

Then, Mrs. Misa Hirai, who is teaching Japanese at the University of Quebec at Montreal, commented that the enrollment in her Japanese language course started to increase significant three years ago and is about 350 students this year, almost three times as many as those studying the Chinese language.
According to her, this may well be due to students’ increasing interest in Japan’s pop culture such as manga, anime, games, movies, fashion, design, etc., and this seems to be a good first step toward wider interests in Japanese culture, history and society in general.

Later their son Michio joined the conversation, saying that quite a few friends of his, who actively participated in Otakuthon and other similar events, have visited Japan and wanted to stay there, but visiting Japan is one thing and living there is another. There are still numerous obstacles for foreigners to live even in a cosmopolitan city like Tokyo, such as formal restrictions and informal discriminations on residential arrangements and professional activities. He pointed out the example of Canadian anime song singer, HIMEKA, who had to give up her career in Japan last year for failing to find a new agency to sponsor her stay after a several years of successful singing career in Japan.
Michio himself, while having mostly enjoyed his stay in Tokyo on his internship program a couple of years ago, sometimes found it difficult to adapt to Japanese behavior at work such as long working hours, staying up with his colleagues until 10 or 11pm.

As a conclusion, the four of us, including myself, agreed that while we all recognize and appreciate so many interesting and valuable contents, events and heritages in Japan, there is much room for improvement and reform to make them more visible and acceptable to the general public in Canada and elsewhere around the world.

References:
Talk with Dr. and Mrs. Charron (6/28/2008):
http://japanquebec.blog76.fc2.com/blog-entry-44.html
Interview with Dr. Charron (8/30/2007):
http://japanquebec.blog76.fc2.com/blog-entry-24.html
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マルセル・マルテル教授との対話 Conversation with Prof. Marcel Martel [レポート Report]

マルセル・マルテル教授との対話 @ヨーク大学(2015年9月2日)
Conversation with Prof. Marcel Martel @York University (Sept. 2, 2015)

マルセル・マルテル教授と最新著書:Prof. Marcel Martel & His Most Recent Book
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9月2日(火)にトロントのヨーク大学を訪れ、マルセル・マルテル教授に会って、現在進めている研究についてお聞きした。ちょうと秋学期が始まる直前だったため、キャンパスはとても静かで、居心地のよい教員用のダイニングルームでランチを取りながらゆっくり話をすることができた。

まずマルテル教授は、最新の著書『Canada the Good』(2014年)に言及し、昨年日本で行った講演のいくつかはこの著書の内容に基づいていたことを指摘した。さらに現在行っている研究テーマは何かという質問に対しては、「カナダ人のアイデンティティ」というテーマに取り組んでいるとのことであった。実際に、英語を母国語とするカナダ人の多くはヴィクトリア王女の誕生日を祝い、フランス語を母国語とするカナダ人はセントジョン・バプティストの日を祝うといったような社会で、カナダ人のアイデンティティがどう定義され、どう共有されるのかはまだ不明である。

それは、アメリカ合衆国のような「メルティング・ポット(るつぼ)社会」と異なり、カナダのような「モザイク社会」では、いつまでも引きずっていく問題ともいえる。したがって、マルテル教授の野心的な研究の成果が、いかに暫定的なものであっても、今から期待されるところである。

その後、話題は日本のポップカルチャーのトピックに移り、マルテル教授によれば、このところアニメ、マンガ、寿司などがトロントで大いに注目を集めているとのことであった。日本食については、その主な食材である魚や野菜が健康食として認識されたことが人気に火をつけたといえるが、この「ハイカルチャー」という性格は日本のポップカルチャーの他のジャンルにも当てはまり、例えばアニメでは、宮崎駿の芸術的なアニメが日本のアニメを、子供用のコミックというよりは、一種の芸術作品にしたことが、広く世界中の老若男女を引き付ける結果になったといえる。

マルテル教授との話の結論として、ある国のポピュラーカルチャーが他国に浸透する歴史と戦略について比較研究することは、例えば日本と韓国のポップカルチャーが北アメリカで受け入れられる過程の違いを研究するといったように非常に興味深いものではないかということであった。

参考
マルセル・マルテル著『Canada the Good: A Short History of Vice since 1500』(2014年、 WLU Press)
http://www.wlupress.wlu.ca/Catalog/martel-m.shtml
マルセル・マルテル教授の日本での講演(2014年10~11月)
http://ajeq14.blog.fc2.com/blog-entry-19.html
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Conversation with Prof. Marcel Martel @York University

On Wednesday, September 2, I visited York University in Toronto, where I met Professor Marcel Martel and asked him about his current research interest. Since it was just before the fall semester starts, the campus was very quiet and we had a leisurely conversation over lunch at a nice faculty dining room.

First, Prof. Martel referred to his new book, Canada the Good: A Short History of Vice since 1500 (2014), which was a basis for some of the speeches that he gave in Japan last year. Then, in response to my question about his current research agenda, he said he is now working on the issue of the “Canadian identity,” which is yet to be defined and shared by all citizens in a society, where most of the English-speaking Canadians celebrate Queen Victoria’s Birthday, French-speaking Canadians honor St Jean-Baptiste Day, etc.

That sounded like an ever-lingering problem in what might be called a “mosaic” society, rather than a “melting pot” like the United States of America. So, I am anxious to know a conclusion, however tentative, of his ambitious research to deal with this problem.

Then, our conversation turned to the topic of Japanese popular culture such as anime, manga and sushi, which are attracting more and more attention from Torontonians these days, according to Prof. Martel. He pointed out that, especially in the case of Japanese food, it has become so popular, because it is healthy to each fish and vegetables, which are the main ingredients of Japanese cuisine. This “high culture” aspect might also apply to other genres of Japanese pop culture such as anime, where Hayao Miyazaki’s artistic works have made Japanese amine a kind of fine art, rather than children’s comics, leading to the wide popularity among the young and the old all over the world.

Prof. Martel and I agreed that it would be quite interesting to study the history and strategy of a country’s popular culture to penetrate into other countries with different cultural backgrounds from the comparative viewpoint, such as Japanese vs. Korean pop culture accepted in North America in somewhat different ways.

References:
Marcel Martel, Canada the Good: A Short History of Vice since 1500 (WLU Press, 2014):
http://www.wlupress.wlu.ca/Catalog/martel-m.shtml
Reports on Prof. Marcel Martel’s lectures in Japan (October/November 2014):
http://ajeq14.blog.fc2.com/blog-entry-19.html
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