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「効率性」をどう教えるか:How to Teach "Efficiency" [提案]

「効率性」をどう教えるか:How to Teach "Efficiency"

3月17日の年次大会における「経済教育のすすめ方」についてのパネルディスカッションでも議論になったように、経済学で重要な「効率性」や「最適性」といった概念を中高生にどのように教えたらいいかは、なかなか難しい問題です。
一つのアプローチはできるだけ具体例を挙げて説明する方法ですが、もともと抽象的な概念である「効率」や「最適」の概念を、原理的・抽象的なレベルで分かりやすく教えられないかと考えた結果、以下のように教えたらどうかというアイデアが浮かびました。
それは、基本的に以下の順序で教えるというものです。

1)「経済」や「経済学」に当たる英語の単語は、「エコノミー」や「エコノミックス」といって、「節約する」とか「無駄をなくす」という意味から来ています。つまり経済学とは、私たちの生活全体からどうしたら無駄をなくせるかという考え方を基本としています。
2)それでは「無駄」とは何でしょうか。すぐ思い浮かぶのは、使えるものが捨ててあったり、お店で物が売れずにたなざらしにされていたり、働きたい人が職が見つからなくて働いていないような状態のことでしょう。経済学はもちろんこのような目に見える無駄をどうしたらなくせるかを考えます。
3)しかし、この世の中には実は、目に見える無駄の何倍もの目につかない無駄があります。例えば、物はすべて売れていて余っていなくても、皆買ったものが実は欲しいものでなければ無駄になります。また皆が働いて失業者がいなくても、仕事の種類や内容が各人の能力を十分発揮できない組み合わせになっていればそこには無駄が発生していることになります。
4)このような目に見えない無駄も含めてすべての無駄がなくなった状態を、経済が「効率的」な状態にあるといいます。そんな理想的な「効率的」状態はどうしたら達成できるのでしょうか。
5)もしこの世に「全知全能の神」が存在し何もかも自由にできれば、神は各人の欲しいものを知っており、また各人の能力も知っているので、物や仕事をうまく各人が満足できるように配分して、「効率的」な状態を作り出すことができるでしょう。
6)しかし現実には、そのような神は存在しません。歴史的にみると共産主義のもとで独裁者がそのような神の役割を果たそうとしましたが、しょせん人間はいかに独裁者でも他人の欲しいものや能力などをすべて分かることは不可能なので、共産主義の「実験」は失敗したことはよく知られています。それでは「効率的」状態を達成するような経済社会を現実に考えることはできないのでしょうか。実はできるのです。それを知ることが「経済学」を学ぶ最も大きな理由の一つなのです。
7)答えは、各人は欲しいものを自分の所得の許す限りで自由な商品市場で買うと同時に、自由な労働市場で労働を提供して所得を得るようにすれば、結果として自由な市場経済はあたかも「神の見えざる手」が働くように「効率的」な状態を達成することができるのです。
8)もちろん、現実の経済の市場は、ここで想定しているほど自由ではないので、現実の経済は必ずしも「効率的」な状態にあるとはかぎりません。どのような場合に「効率的」状態が達成され、どのような場合には「非効率」な状態になるか、つまり社会のどこかに「無駄」が発生するか、そしてそのような無駄をどうしたらなくせるかを考えていきましょう。

以上のアイデアは、「経済教育ネットワーク」(http://www.econ-edu.net/)の「オープン討論室」(http://seadog.gifu.shotoku.ac.jp/econ-edu/gate/)で、このテーマについて意見のやりとりをしている中で生まれたものです。

How to Teach "Efficiency"
It is rather difficult to teach such abstract concepts as "efficiency" and "optimality" to middle/high school students. The following is an idea of teaching these concepts relatively easily to students

1) Economics is a subject to "economize," that is to eliminate or minimize "waste" in our life as well as in our society.
2) Then, what is "waste"? There is some visible waste such as stockpiles of unsold goods and involuntary unemployment.
3) However, there is much more "invisible" than visible waste, such as mismatch between goods and taste and also between skills and jobs.
4) The economy is said to be "efficient," if there is no such waste in the economy, But how such an efficient economy can be realized?
5) Efficiency could be realized if there were the Almighty God who knows everything including people's taste and skills.
6) In reality, communist dictators tried to be the Almighty God, but they failed since they could not possibly know each and every individual's taste or skills. Then, is there any way the economy can achieve efficiency? The answer is "yes, there is a way."
7) That is through the free market system, in which individuals can buy goods and services in the free market, according to their taste, subject to their income, and earn income by supplying labor in the free market. The free market system can achieve efficiency as if individuals were led by the God's "invisible hand."
8) It is needless to say that in reality markets are not so free and, as a result, there is some waste existing in the economy. We should study under what conditions efficiency can be achieved or cannot be achieved, and how waste can be eliminated if it exists in the market economy.

This idea came out of the exchange of opinions in the "Open Discussion Room" (http://seadog.gifu.shotoku.ac.jp/econ-edu/gate/) on the homepage of the Network for Economic Education (http://www.econ-edu.net/).


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